・ご来院のきっかけ、症状をお書きください。
左足のしびれとでん部の痛みがあり、通院するようになった。
2年前に整形外科で腰部すべり症の手術をしたが、足のしびれはなくならなかった。
・施術後の身体の変化や感想、その他ご自由にお書きください。
左でん部の痛みは、日常生活で感じることはなくなってきた。
左脚のしびれもとれてきて、以前は10分間立っているのもつらかったが、今は1時間ぐらいは立っていられるようになった。
腰の骨は、椎体と呼ばれる部分と椎弓と呼ばれる部分から構成されています。通常、これらはバランス良く積み木のように上下に連なっています。また、椎弓部分で構成されている部分は脊柱管と呼ばれ、脊髄を保護するように上下に伸びています。
腰椎すべり症は、何らかの原因によってこのバランスが崩れ、下側の椎骨に対して上側の椎骨がずれてしまっている状態(多くは上側の椎骨が前方にずれます)をいいます。
腰椎すべり症は大きく分けて、『腰椎分離すべり症』と『腰椎変性すべり症』とに分類することができます。
小学生から高校生くらいまでの骨がまだ軟らかい時期に、激しいスポーツ活動や繰り返しの動作を行うことで、腰椎の椎弓部分に負担がかかり、疲労骨折を起こして椎体と椎弓が離れてしまうことがあり、これを腰椎分離症といいます。
腰椎分離症になると、腰椎の安定性が失われることで、スポーツ活動時や日常生活においても慢性的な腰痛に悩まされることになります。陸上やサッカー、バレーボール、水泳などの体幹に負担の掛かりやすい種目に多いとされています。
この状態を放置することによって、不安定になっている腰椎が二次的にずれてしまい、すべり症になってしまうことを腰椎分離すべり症と呼びます。
『腰椎変性すべり症』
明確な原因は不明とされていますが、腰椎を支えている椎間板や靭帯、関節突起などの組織自体が変性を来してしまうことで、腰椎の安定性が失われることによって発症します。
主に、長時間の腰椎部にかかる負担や加齢などによって時間をかけながら徐々に変性を起こしていきます。
その結果、腰椎の支持組織が破綻し、すべり症を起こしてしまうものを腰椎変性すべり症と呼びます。
腰椎分離すべり症に比べて、骨などが弱くなりやすい高齢の女性に多く見られます。
腰椎すべり症が軽傷の場合、腰椎部が不安定なことから、腰椎を支えている筋肉や靭帯部分の異常な緊張が見られ、この緊張から来る腰部の痛みとして自覚します。しかし、きちんとした検査を受けていないと、他の腰痛と症状が似ていることから症状が進行してしまう事があります。
腰椎を含む脊柱には、脊柱管と呼ばれるトンネル状の構造があります。腰椎すべり症になると、このトンネル内が狭くなってしまうことで、代表的な症状として坐骨神経痛が現れることがあります。
坐骨神経痛になると、おしりから足にかけての痛みやしびれ、冷汗や熱感、足に力が入りにくいなどの症状を引き起こします。また、長時間歩くと足に痛みやしびれが出て歩けなくなり、腰を曲げることで楽になる「間欠性跛行」も多く見られます。
症状が進行した状態だと、買い物や散歩、家事での立ち仕事などの日常生活にも影響を与えてしまいます。
また、痛みから逃れるために歩くことを避けてしまうことで、身体全体の筋力が低下してしまうことも問題視されています。身体全体の筋力が低下してしまうと、腰部を支える体幹の筋力が低下し、腰痛を悪化させてしまうといった悪循環が始まります。そうなる前に、早目の治療が必要になります。
当院の治療のコンセプトは、「症状の出にくい身体づくりを提供すること」です。その為、最初の検査時は患者様の「痛みの原因を診断すること」を大切にしています。
腰椎すべり症は、他の腰痛や坐骨神経痛を引き起こしてしまう疾患と症状が似ていることから、最初の検査、問診、患者様の年齢や性別、運動歴などを考慮しながら見落としがないように注意が必要になります。
その為、検査や問診を重要視し、時間をかけて丁寧に検査していきます。
腰椎すべり症の場合、骨格の土台となる腰椎がずれてしまっている状態なので、腰部を支えている回旋筋群、脊柱起立筋群、棘上靭帯などに緊張が現れ痛みを出しています。まずは、これらの柔部組織を手技を用いて丁寧に施術を行います。
また、下の腰椎に比べて上の腰椎が前方にずれてしまうことがほとんどですから、ずれてしまった腰椎をもとに戻すために痛みの伴わない方法で背骨や骨盤の調整を行います。
腰椎すべり症の原因は、長年の不良姿勢による腰部への慢性的な負担や安定性の破綻ですから、腰部への負担を減らすための正しい姿勢の学習や、安定性向上のための筋力強化が痛みを出さないための重要な課題となります。
当院では、正しい知識に基づいた姿勢や運動の指導も行うことで、根本から痛みを改善していきます。
また、足の神経症状を伴うような思い症状の場合、当院独自のTST療法(東洋医学に基づいた経絡療法)や鍼治療が有効な為、併用することで同時に治療することが可能になります。
この様に、正しく見極め、痛みの原因を取り除き、痛みの出にくい生活をサポートすることで、痛みを根本から改善することをお約束いたします。ぜひご一緒に、「痛みを忘れる未来」に向けて取り組んでいきませんか?